かわいいリカちゃん
1967年7月4日、株式会社タカラ(現タカラトミー)によって“かわいいリカちゃん”という名前で初代リカちゃんが発売されました。
当時は老舗の醤油屋さんで、地元の女性たちによって作られていたという初代リカちゃん。
初代リカちゃんが1人1人微妙に違っているのは、昭和の手作業ならではの味ですね。
初期のリカちゃんの洋服には“人魚姫”や“ママのお手伝い”等、ステキな名前が付いています。
初代リカちゃんママの服では“若いママ”という変わった名前の服も…。
洋服も集めたくなります。
特徴
・瞳の中の星がひとつ
黒く丸い瞳に白い星がひとつ。長い上向きのまつ毛に少し微笑んだくちびる。現在のリカちゃんにはないなんともレトロな可憐で儚げな雰囲気が魅力です。
初代リカちゃんの有名な見分け方として「瞳の中の星がひとつ」というものがあります。
職人さんひとりひとりが心を込めて入れた星は何人ものリカちゃんコレクターの心を掴んで離しません。
画像のリカちゃんはすべて違うリカちゃんです。
初代リカちゃんをまじまじと見比べると、瞳の色と、リップの色も様々で、どの子にも個性があるのが分かります。
・みかん色のくちびる
当時の流通していた人形のリップの色はビビットピンクやピンクが主流でしたが、開発担当者が「みかん色にして下さい」とお願いし、決定したこだわりの色。
初代リカちゃんを見比べると、リップはみかん色のリカちゃんとどうやらピンク色、ビビットマゼンタのリカちゃんも居るようです。
初期のおへそ付きの子の方がピンク色のリップの子は多い気がします。
最初期おへそ付き初代リカちゃん
初代リカちゃんの最も古いタイプの子は腰の部分に可動部がありません。
手と足に一本ずつ針金が通っており、両腕と両足がそれぞれ連動する仕組みになっています。
リカちゃんファンの方からは“ヘソ有”“おへそ付き”と呼ばれています。
後述する“ツイスト”と呼ばれる初代リカちゃんに比べて身長が少し小さく顔も幼く優しい印象を受けます。
後期初代リカちゃん
マイナーチェンジを繰り返し、少し大人っぽくなった初代リカちゃん。初代リカちゃんの中では現存している物が多いです。
色々なポーズをとって遊ぶことができるように、腰の部分に可動部があります。
可動部は首や手足等と違い、半回転しかせず、可動域も斜めになっているので、より上品で人間味のある動きになります。
ジョイント部分の拡大図、横から見た時に前に向けて斜めに線が入っているため、より人間味のあるリアルな動きになります。
背中の刻印
リカちゃん達(ママやフレンドも含め)はみんな背中に刻印が入っています。
初代リカちゃんの背中には“TAKARA MADE IN JAPAN”と刻印が入っており、この刻印は大まかな製造時期を特定する貴重な手掛かりになります。
座った姿
初代リカちゃんはボディの構造上、足を閉じたまま座ることができません。
足の中に針金が通っているので、ギュギュッと閉じてあげれば、少しお上品にすることはできます。
重心が後ろに傾いているため上手く座らせるのはコツがいります。
初代リカちゃんの手足
リカちゃんの手足の造型は本当に凝っていて、初めて見た時は感動しました。
どんなポーズにしても自然に見えるように、指は力を抜いた自然な曲がり方をしています。
初代リカちゃんの手は右手の小指がほんの少し立ち上がっており、手の内側も現在のリカちゃん(3代目以降)より、関節の線がしっかり確認できます。
小さな子が遊んでも破損しにくいよう、親指以外の4本の指は引っ付いています。
今も昔もみんなのあこがれ
1967年から現在(令和7年)まで、ずっと愛されているリカちゃん。その礎を築いたのは間違いなく初代リカちゃん。
そして当時の少年少女のために走り回ったタカラ(現タカラトミー)の企業努力にはかないません。