4代目リカちゃんの販売から数年後…突如現れ、そして1年足らずで姿を消したリカちゃん——それが『ピンキーピンクリカちゃん』です。
この名前を聞いて、すぐに顔が浮かぶ人はどれくらいいるでしょうか。
一部のドールファンの間では『幻の5代目』とも言われている存在です。
それほどにこの子は謎と魅力に包まれた存在で、愛すべきリカちゃんです。
幻の5代目?!ピンキーピンクリカちゃん

ようこそ!ピンクがいっぱいのリカちゃんワールドへ!
公式ブックレットより
発売されたのは1992年。
「4代目」と言うには少し異質な存在で、しかし「5代目」というにはなんだか微妙…そんなリカちゃんが誕生しました。
ドレスの真ん中に真っ赤に輝くハートのクリスタルがピンキーピンクのドレスの証。
髪色、表情、そして販促物の雰囲気からも、当時のタカラが次なる時代を模索していたことが伝わってきます。
好みの分かれるピンキーピンクリカちゃんの顔

ピンク一色でまとめられたフリルたっぷりのドレスや小物、そして特徴的なのはほんの少し開いた口元。
なんと瞳には破線が入っていません。


ロングカールのブロンドヘアに色白の肌は、まるで西洋のお姫様のようです。
正面から見るとすぼまった口にビビットピンクのリップがやや強調され、印象がややキツく感じられることもあります。
角度が変わると驚くほどキュート♡
唇の表情が変化し、見るたびに新しい魅力を発見できます。
私は実際に手にするまでは少し苦手な表情に感じるリカちゃんでした。
人形は口が閉じてる方が個人的に好みですし、ピンク!のハツラツすぎる印象がバブリーすぎて少し苦手意識がありました(._.)
実際に手に取るとまた印象が全く違い、横顔の開いた口元がとても嬉しそうに見えるのです。
哀愁を感じる角度が無くこちらまで幸せな気持ちになります。
子供から有無を言わさず元気をもらえるあの感じに似ています笑
「可愛い」の一言では括れない、好き嫌いが分かれるその顔立ちこそが、ピンキーピンクリカちゃん最大の魅力なのかもしれません。
4代目と比べてみよう♡ピンキーピンクは異端か、進化か?


一見してわかるのはピンキーピンクリカちゃんのドレスや配色の派手さ。
4代目と比べても明らかに自己主張が強いです。
衣装だけでなく、顔立ちや立ち姿にもその違いが表れています。
並べて見ると、4代目が「誰からも愛されるスタンダード」であるのに対し、ピンキーピンクは「好きな人には刺さる、強い個性」を持っていることが分かります。

勝手なイメージで顔が大きい印象を持っていましたが、実際に見るとかなり小顔でした(*’▽’)♡
4代目とピンキーピンクの表情の違い


4代目リカちゃんは、丸みのある輪郭、大きな瞳に入った破線、そして口を閉じた穏やかな表情が特徴で、まさにリカちゃんらしさの完成形。
誰もが想像する『リカちゃん』です。
それに対しピンキーピンクリカちゃんは、ややシャープなフェイスライン、ほんの少し開いた口元、破線のない瞳……全体的にどこか明るい雰囲気が漂います。
ピンキーピンクはどこか違う世界線のパワフルで明朗快活なプリンセス♡
この時期(1992年)は、「ガーリー文化」が一気に花開く直前の時代。
ピンキーピンクリカちゃんは、まさにその先駆けのような存在だったのかもしれません。
しかし、登場からわずか1年で販売終了。
もしかすると、あの時代はまだピンキーピンクの『カワイイ』に、世界が追いついていなかったのかもしれません。
「口が開いたリカちゃん」といえば…3代目!


実は私が初めてこの子を見た時、ふと既視感を覚えました。
よくよく見ると、3代目リカちゃんに似ている気がしたのです。
並べてみると、やはり共通点は多い。
あひる口風に開いた唇、破線のない瞳、ややシャープな輪郭——。
ピンキーピンクリカちゃんは、3代目に通じる“異端のかわいさ”を感じさせます。
3代目との共通点と違い


3代目リカちゃん(1982〜1986年)は、少しシュッとした輪郭に、キュートに開いたあひる口、初代~2代目から引き継いでいる懐かしさの残る破線の無いブルーのラインが入った瞳。
ピンキーピンクリカちゃんの瞳にも破線は無く、口も開いていてこの二人の造形は共通点が多い印象です。
「リカちゃん=おすまし顔」という固定観念を、再びぶち壊してきたタカラ。
4代目という安定した人気の中にありながら、新たなカワイイを求め攻め続ける姿勢が素晴らしいです。
リカちゃんが口を開ける・閉じる、この「異端さ」が時代を超えて交差するのは、リカちゃん史の中でもとても興味深いポイントです。
ピンキーピンクの世界


ピンクのドレスふわふわゆれて花びらみたいにとんでみたいな。
箱裏より
パッケージ、ブックレット、チラシに至るまで、とにかく徹底してピンク、ピンク、ピンク!!!

ブックレットの表(ピンキーピンク)と裏(4代目リカちゃん)で雰囲気が全然違います。
ピンキーピンクの方はまるで「ピンクの国のプリンセス♡」のような世界観。
女の子のかわいいが何たるかを全面的に押し出しています。
当時のタカラが平成初期の女の子の需要に寄せてきたマーケティングの一手なのかもしれません。
店頭でこの箱が並んでいたら、売り場は圧巻だったでしょうね(*’▽’)♡
まとめ:ピンキーピンクリカちゃんとタカラの挑戦


ピンキーピンクリカちゃんが発売された1992年から、30年以上が経過しています。
それでも未だに「幻の5代目」と語られるのは、彼女が他のどの世代とも違う個性を持っていたからです。
顔立ち、髪色、衣装、そして販促物に至るまで、そのすべてがリカちゃんの多様性を象徴しています。
やっぱりリカちゃんは「とてもリアルで、時代の空気を纏った可憐な女の子」だったと気づきました。
いつの時代も女の子はオシャレ。
かわいいが大好き♡
そんなかわいいの波を、一身に受け止めているのがピンキーピンクリカちゃんなのかもしれません。
ピンキーピンクリカちゃんのその不思議な微笑み、ぜひ見つめ直してみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました♡
リカちゃんのリペアやヘアセットのご相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。
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