1977年、高度経済成長を経て日本が安定期に入り、文化やファッションが多様化した年です。
テレビでは『キャンディ・キャンディ』や『ドリフ』、『ピンクレディ』などが人気を博し、少女文化も一層花開きました。
リカちゃんがちょっとおすまし顔になった2代目、中期~後期に突然現れた「ファッションペア ロングヘアーのリカちゃん」と、彼女の運命の(?)おともだち「おしゃれなリナちゃん」こと「水原リナちゃん」。
この子達はあまりにも短命だったため、今では知る人ぞ知る存在ですが、そのファッションや設定は意外なほどドラマチックです。
なんと今回は、akaribbonへ2人そろってご来店いただけました。
ちょっぴりレアなふたりの魅力を、たっぷりの写真とともにご紹介します。
リカちゃん達の記憶に残る、青山ブティックでの「すてきなめぐりあい」とは?
おしゃれなリナちゃんとのすてきなめぐりあい

2代目リカちゃんといえば、ふんわりカールに真ん中分け、白薔薇のピンがきらりと輝く美少女です。
けれど「ファッションペアリカちゃん」は、直毛ロングに寂し気な顔で、これまでのリカちゃんとは一線を画すスタイルで登場しました。
このシリーズは「水原リナちゃん」とのペア設定で、パッケージも2つ合わせるとハートになるものもありました♡
出会いのきっかけは、青山のブティックで同じドレスを取り合ったこと(なんと少女漫画的な設定!)。
ピンクのドレスを選ぼうとしたリカちゃんに対し、後でブティックに入店したリナちゃんは同じドレスを手に取り「あなたはブルーが似合うわ」とすすめたんだとか。

案の定、リカちゃんは「ちょっぴりおこりました」。
でも「二人ともステキよ」というママのひと言で、すぐにご機嫌回復。
リカちゃん優しいですね。
お人よしで、でも自分の美的こだわりもちゃんとある。
そんなリカちゃんらしさが垣間見えるエピソードです。
ちなみにこのシリーズ、わずか一年ほどで終了してしまったそう。
短いシリーズながらも、後に語り継がれる“幻のペア”となりました。
ロングヘアーのリカちゃん



こんにちは!わたしリカよ。香山リカ。5月3日おうし座。白樺学園5年生。パッチリした目が自慢です。算数がきらいで頭が痛くなっちゃうの。
ブックレットより
ちゃっかり自分のパッチリおめめを「自慢」と言い切るリカちゃん。
ビジュに自信あり。
さすがです。
2代目リカちゃんといえばカールが主流だったにもかかわらず、この子はサラサラのストレートロング。
栗色のツヤツヤ髪と儚げな表情が印象的で、どこか物語の中のヒロインのような雰囲気をまとっています。
画像からも伝わる通り、華やかな2代目の中では異色の存在。繊細で寂しげな瞳は、どこか放っておけない魅力があります。
この髪型や表情は、後の3代目リカちゃん~現行のリカちゃんにしっかりと引き継がれていくことになります。
まさに2代目から3代目への“橋渡し”となる存在……それが、ファッションペアリカちゃんなのかもしれません。
おしゃれなリナちゃん



はじめまして!わたしリナ。水原リナ。8月25日おとめ座。白百合学園5年生。長い金髪が自慢です。リカちゃんと素敵なめぐり逢いをしたの。算数がお得いで男の子もビックリ!
ブックレットより
一方、リナちゃんはというと、見た目もスペックもまさに“才色兼備”。
金髪の姫カットに、4か国語を話せる帰国子女というハイスペックぶりです。
姫カットといえば、70年代の麻丘めぐみさんを思い出す方もいらっしゃるのでは?
鬢削ぎ(びんそぎ)の風習を現代風に取り入れたこの髪型は、今また海外で再注目されている流行ヘアスタイルでもあります。
個人的にはなかなか勇気のいるヘアスタイルだと思いますが、リナちゃんもまた、ビジュに自信ありだったのでしょう。
冒頭で触れたように、リナちゃんはリカちゃんに青を薦めておいて、自分はちゃっかりピンクを選んだおしゃれ上級者(?)。
でも将来はファッションアドバイザー志望とのことなので、きっと“色彩感覚”には自信があるのでしょう……たぶん。
そしてリナちゃんのボディには、ちょっとしたギミックも。
ヘッドの内部に逆L字の形の棒が入っており、この棒がおでこのあたりを押し上げるように回ることで首を傾けられる仕様で、リナちゃんの表情のニュアンスがより豊かに感じられます。
このギミックは、リナちゃんというキャラクターに“知的なおすまし感”を与えるための工夫だったのかもしれません。
リカちゃんとはまた異なる魅力が引き立っています。
似てる?似てない?リカとリナ


「ファッションペア」と名付けられているものの、顔立ちは正直、全く似ていません。
リナちゃんは、タカラ製よりも他社のキャンディキャンディ系ドールに近い印象。

70年代の流行少女漫画の影響も感じさせる造形です。
顔を並べて比べてみると、リカちゃんの方が遥かに繊細で、独特な哀愁を帯びています。
かなり困っている顔


ファッションペアリカちゃんの最大の特徴――それは「困り顔」。
白目が少なく青目が細く黒目がちに見えるウルウルの目。

口元はきゅっと結ばれ、決して笑ってはいません。
同じ時代の2代目・後の3代目リカちゃんと比べると、その寂しげな雰囲気は際立ちます。
私ははじめ儚げ過ぎる表情が少し苦手に感ていましたが、気づけばじわじわ惹かれてしまう――
そんなスルメ系の魅力が、この子にはあります。
まとめ

ファッションペアシリーズは、当時の少女たちにとって新鮮な“おしゃれの世界”を広げてくれる存在でした。
シリーズが短命だったがゆえに、今ではなかなか見かけることができませんが、その美しさと儚さは、むしろ今だからこそ一層輝いて見えます。
特にファッションペアリカちゃんのストレートロングヘアは、のちの3代目へと受け継がれるスタイルの原点。
ふたりが出会った「めぐりあい」のエピソードも含めて、まさにコレクター心をくすぐる珠玉のシリーズです。
あなたの2代目リカちゃんも、よく見ると困り顔…!?かもしれません。
最後に、大切なお人形、「ファッションペア」リカちゃん&リナちゃんを、執筆にあたり快くご提供くださり、心より感謝申し上げます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました♡
リカちゃんのリペアやヘアセットのご相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。
akaribbon 
